【エジソンとフォードの賭け】
・トマス・エジソンとヘンリー・フォードは親しい友人であり、未来のエネルギー源について意見を交わしていた。
・エジソンは電池を支持し、フォードはガソリンを推奨。結果的に、ガソリンが20世紀のエネルギー革命を牽引。
・ガソリンの圧倒的なエネルギー密度(電池の60倍)や大量の油田発見が、ガソリン車普及を後押し。
【電池技術の課題】
・電池技術の進歩は化学反応に依存し、コンピュータチップの進化に比べて遅れている。
・新しい化学物質を試す膨大な試行錯誤が必要で、量子コンピュータによるシミュレーションが効率化を期待されている。
【再生可能エネルギーの夢と課題】
・1950年代、未来学者は「太陽の時代」の到来を予言。太陽光発電と風力エネルギーによる持続可能な社会を目指した。
・しかし、エネルギー貯蔵技術の遅れが「太陽の時代」の実現を妨げている。
【電池の歴史】
・電池の発展は、18世紀のルイージ・ガルヴァーニの実験に始まり、アレッサンドロ・ヴォルタが世界初の電池を発明。
・その基本構造は200年以上ほとんど変わらず、近代に至るまで試行錯誤による改良が続けられた。
【リチウムイオン電池の台頭】
・リチウムイオン電池は、軽量でエネルギー容量が大きく、電子機器から自動車まで幅広く普及。
・リチウムの性質(軽さ、電子の結合の弱さ)が高効率化を可能に。
・ジョン・グッドイナフら3名の科学者がこの電池の開発でノーベル賞を受賞。
【リチウムイオン電池の限界】
・ガソリンと比較するとエネルギー密度が低い(1%程度)。
・次世代電池の研究が進行中で、特にリチウム空気電池が有望視されている。
【次世代電池の取り組み】
・リチウム空気電池:エネルギー密度はリチウムイオン電池の10倍。ただし寿命が短いなどの課題が残る。
・その他の技術例:
・超高速炭素電極による充電時間短縮。
・コバルトフリー電池の開発(コバルトの毒性・高コスト問題の解決)。
・シリコンやナノチューブを利用した新素材の電池。
・リチウム硫黄電池:長時間駆動が可能。
・海水電池:安価かつ環境負荷を低減。
【量子コンピュータの役割】
・量子コンピュータは次世代電池の開発を加速。化学反応をシミュレーションすることで試行錯誤を効率化。
・自動車産業では、新しいバッテリー設計、製造工程の最適化、空気力学のシミュレーションにも活用。
【自動車産業と量子コンピュータ】
・ダイムラー(メルセデス・ベンツ)やBMW、テスラなどが量子コンピューティングに投資。
・目的:充電インフラの最適化、燃費向上、空気抵抗削減、部品調達の効率化など。
量子コンピュータの進化が、電池技術や自動車産業を含むエネルギー革命を後押しし、地球温暖化対策や持続可能な社会の実現に貢献する可能性が高い。