レイ・カーツワイル「シンギュラリティは近づいている」第8章: カサンドラとの対話

第8章: カサンドラとの対話(要約)

この章では、レイとカサンドラの対話形式で、AIの進化と人間の未来について議論しています。以下は主要なポイントです。

・AIの進化と2029年の予測

処理能力の向上: 2029年までに、人間の能力をすべて超える処理能力を備えたニューラルネットが実現すると予想されています。これにより、AIはあらゆるスキルで人間を上回る存在になるとされています。
チューリングテスト: 有効なチューリングテストに合格するためには、AIの知性をある程度低下させる必要があるとされています。そうでないと、AIが強化されていない人間ではないことが明らかになってしまうからです。

・人間とAIの融合

脳とAIの接続: 2030年代初頭には、脳の大脳新皮質の最上層に接続し、脳内の活動を活性化する手段が実現すると予想されています。これにより、超知能はクラウドを通じて人間の脳の一部となります。
規制と実施の困難: 脳に数百万ものワイヤーを装着するプロセスは、規制の面で多くの課題があり、実施が遅れる可能性があります。これは人体における非常に物理的に敏感な部分である脳に対する介入を含むためです。

・外部デバイスと脳の拡張

現状の外部デバイス: 現在、外部のデバイスを介して知能を拡張する技術は存在していますが、これはキーボード入力などの制約があり、脳の内部接続と比べると効率が劣ります。今後は、完全没入型の仮想現実が実現し、キーボード入力の何千倍も速い操作が可能になるとされています。
AIの役割: AIは多くの労働者を補助し、知識へのアクセスを広げています。将来的には、脳拡張装置が物理的に脳に接続されなくても、知性を拡張する機能を果たすことが期待されています。

・人間の目的とAIの進化

目的意識の重要性: AIがあらゆる知的領域で人間を上回る能力を持つようになると、人間が意味のある活動を見つけることが重要になります。AIと人間が融合することで、人間はさらに抽象的で高度な思考が可能になり、共感や倫理の能力も高まるとされています。
脳のクラウド拡張: 2030年代には脳のクラウド拡張が実現し、知性が数千倍から数百万倍に向上すると予測されています。

この章は、AIの急速な進化とそれが人間の生活や知能に与える影響について深く掘り下げており、未来の技術と人間の融合についてのビジョンを提示しています。

–感想

終章である本章はページ数としてとても短いです。

”カサンドラって誰?”となるかと思いますが、前著「シンギュラリティは近い」を読んでないとわからないかと思います。
たぶん、本書にはカサンドラの説明はないです。

カサンドラとはカーツワイルの内部人格であり、対話形式にすることで
自身の主張に対して批判的視点を導入してバランスをとる役割を果たしてます。